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日本の労働力における女性のM字カーブが改善されにくく、待機児童の問題も多い現在、子育てと両立できず継続就労が難しい時代である。しかし、世の中には、雇われず自由に働く女性たちがいる。彼女たちは専門職を磨き、仕事を選び子育ても人生も楽しんでいるように思える。
また、2014年に出版された「ハウスワイフ2.0」という現象がある。アメリカでは一向に改善されないグラスシーリング(ガラスの天井)に愛想を尽かしたキャリア女性たちが郊外に移転し主婦起業をするというものだ。アメリカに起きたことは日本に数年遅れてくると言われている。この現象も考察しながら、雇用されるのが当たり前な世の中で自らをマネジメントする女性のミニ起業家の実態を取り上げる。
こ研究の目的は、雇用されずに、自分の時間を有効利用し仕事の場所も選ばない働き方があれば女性たちは働き続け、出産し、子供を育てワークライフバランスをとることができるかを探ることである。
そのために、
・アメリカで起きた「ハウスワイフ2.0」という現象は日本で参考になるか
・個人事業主である女性がどのような働き方をしているかを調査することで今後の働き方の選択肢になれるか。
インタビューの対象者は、「経営者として実務を経験してないが、専門技術をもち個人で独立、継続している女性。かつ、セルフマネジメントをし、自分自身でパーソナリティを活かした仕事をしている起業家」を選出し、彼女たちを「ミニ起業家」と称した。
調査の結果は、アメリカで起きたハウスワイフ2.0の女性たちは専門技術を持っていないことが分かった。個人で起業し継続し収益を上げるにはスペシャリストであることが必要と証明された。
また、実際に起業し成果を上げている女性たちは、「専門技術を強化し、ITを活用、差別化を行い常にイノベーションを起こし続けている。」ことが明らかになった。
子育て中のミニ起業家も仕事と子育てを両立してジレンマを感じることなく働いていることも解明されたので、今後の働き方の選択肢になることも明らかであり、この層の支援も充実することを望むものである。