雇われない女性たちの生き方(起業という働き方)

2017年1月4日水曜日

Dさんセレクトショップオーナーのインタビュー(雇用されない女性たちの生き方.30)


インタビュー3人目




(3)  Dさん(セレクトショップオーナー兼販売・61歳・既婚・子供28歳1人・独立15)


 地元の進学校を卒業後、東京の大学を中退。
親は公務員で固く、飲食店をしたかったが反対にあい、地元に戻り固い事務のアルバイトをする。

24歳で敬虔な家に嫁ぐがそりがあわずすっと「自立したい」と思い続け「嫁の世界」から脱したが実質12年かけて離婚が成立した。
 その間に兄が脱サラしブティックを始めることとなる。
兄から販売の仕事を手伝ってほしいと言われ、1年間修業のために西武百貨店の毛皮サロンでバイトを始める。

 ここで商売のノウハウを覚えたそうだ。
「高いものが売れれば安いものも売れる。」素直であり、仕事を知らなかったので恐れが無かった。また、兄の仕事を手伝うという目的もありバイトにも関わらず残業をし損得考えずに積極的に学んだことが今に活かされている。


 そのうちに兄の仕事は軌道にのり県内に数店舗、展開しはじめる。

しかしそれと同時に「金儲け」にシフトしていく兄のやり方が自分とは合わなくなり、
また、その数年前に再婚もしていたので、辞めることを決心した。しかし、顧客から「続けてほしい」と言う要望が多く、46歳で独立することとなる。



 再婚したご主人は、「クッション材になっている」と言う。
結婚に対する価値観が一緒で、朝の犬と一緒の散歩は1時間みっちり、一緒に歩くのが日課であり、癒しの時間なのだそうだ。
 以前は兄のところで働いていた時は、円形脱毛症や卵巣がんにもなった。
しかし、今は自分の店を自分のペースで廻し、勝手に集まるわがままな顧客と遊び心を持たせながら仕事することで、毎日休みなく働いているが、心が自由である。



 長いショップ経営で彼女なりのやり方は、「廻ればいい。儲けは考えない。」「自分の感性に合った方が来るから店は心地よい空間」「私、他の店のリサーチなんてしないの。

街の人ごみが嫌いだし、人と一緒に動くのは嫌い。一人でいろいろなことができるし、本能で動いている。」

 「数字に追われるとろくなことが無い。

あれもこれも仕入れて、と考えると面白くない息苦しい遊びにない別の店になる。

以前そうなったことがあったそうだ。

「ウチは、隙間産業なの。」と言う。

 「自己実現は?」の問いに「まだ途中!世の中知らないことばかりだし、自分のことで精いっぱいで、これから社会に恩返しがしたい」


今は小回りが利いてどうとでもなる。休みも自由に決める。責任は自分で取るがその方が楽だという。