雇われない女性たちの生き方(起業という働き方)

2016年12月28日水曜日

キャスターCさんのインタビュー(雇用されない女性たちの生き方.29)



 9人の女性ミニ起業家インタビューの2人目です。


 (2)  Cさん(キャスター・44歳・既婚・子供8歳〜3人・独立18年中断13)

 短大から日銀へ。
そして大学時代にキャスターをした経験が忘れられず、NHKにオーディションを経て契約社員キャスターとなる。 
 26歳で結婚を機に退社し、民放リポーターとなり仕事を続けるが、夫の転勤で鹿児島から東京へ。
 子供を3人授かり10年間の専業主婦となる。
その専業主婦時代は当時流行っていたビーズアクセサリーを学び、ママたちに少人数のビースアクセ教室を開く。
 俗にいうサロネーゼであった。また彼女は子供の学校のPTAにも力を注ぐ。
会長を引き受け全力で役割や行事をこなし人の3倍は動いていたと言う。

そんな10年間を側でみていたご主人が3人目が2歳になると

「君はこのままでいいの?」

と聞いてきたという。
 子供の役員に力を注ぐ奥さんに何かを感じたのだろう。
「夫の後押しがあって気づいたのです。私は復帰してもいいのだ」と。



 そこから彼女は、即行動する。
後輩にフリーでキャスターになるにはどうしたらを聞き、タレント事務所に入りオーディションを受けまくる。
 ブランクがあり若くはないというハンデがあり仕事はすぐには決まることはなかったが、受け続けたそうだ。
 少しずつ、事務所からも仕事が入るようになると同時に、自ら動くこともしだした。
事務所が主催するワークショップ、ナレーション、司会などのセミナーを学び自分への投資を続けた。周りは若い子ばかりだったが、自分には結婚、子育てで他にも様々な経験をしてこの年だからできることがあると奮い立たせていたそうだ。


その後とあるセミナーでfacebookのブランディングのコツを聞き、実行している。
「毎日発信と自分の顏を張り付ける」この2点は守り続けているので、そこから仕事が来るようにもなった。
「今は、まだキャスターとしての地位はその他大勢となっているが、年を重ねて自身を客観的に見られるようになった時に、セルフブランディングができるのだと思う。」


 自由な時間で仕事がしたかったので今のフリーな仕事を選んだ。やりたいことを自分で決めていることが最大の自由だと思う。
 しかし、今の自由は主人が否定しないでいてくれ、子供の面倒も見てくれるから実現できていると思う。


ワークライフバランスは仕事が3割で子育てが7割の割合を自ら作っている。
自己実現ができていないと答えたのは、まだ全力で仕事をやりきっていないから。今は3人の子育てに力を注ぎたい。この働き方は自分でその配分を選べるからそこもいい。

手が離れたら、もっともっと成長したい。

2016年12月20日火曜日

情報誌発行のBさんのインタビュー(雇用されない女性たちの生き方.28)

さて、今回からは9人(Aさん~Iさんまで)のインタビューをそれぞれ書いていく。

但し、インタビューの中で個人を特定しまいそうな方もいたので
8人のインタビューを許可を得て、掲載することとした。

※注 インタビュー記事は卒論の2014年時点のものである。





(1)  Bさん(情報誌制作・41歳・既婚・子供9歳1人・独立3)

 大学卒業後、興味のあったTV映像関係会社へ就職しCM作りなどのディレクション、プロモーションという仕事を覚え5年勤める。
 その後大手アパレル企業のワンブランドの販売員となり、ディスプレイ、売り方、管理を教わる。

2年間の勤務で、全国にいる販売員の成績トップ10になったこともある。
その後結婚するまでの2年間は派遣会社の事務をし、子育てのため4年間は無職となる。

子供ができてからの仕事に対する変化としては「何かしたい」でいろいろやってきたが「誰かのため」という意識に変化した。
 その後、再就職活動をするが断られ続けつまずく。その時にママの情報が無いことに疑問を感じるようになった。

 そこで、地元のママの情報を発信しようと“紙媒体のフリーペーパー“を発行することとなる。



0からのスタートだが仕事としては、最初の職場である動画制作と同じであり、
 表現方法が紙か動画かの違いだけであった。
 また、NPOやお手伝いしてくれるママたちの5人で組織を作り、
デザインは外注し3ヶ月かけて仕上げていく。

 企業の広告収入で事業が成り立っているため営業をする。
闇雲に飛び込み営業ではなく、自社の情報誌に適した企業かを事前にリサーチをした。

 当情報誌にマッチするか見極めることをしていた。その後アポを取り訪問する。
その際も相手の利益を考えて提案することは忘れない。一度受けてくれると、そこから紹介を頂くようになり、1年契約としているので今では営業に駆け回ることはない。

 仕事も子育ても自由にできているのでワークライフバランスは、いいと思う。今は仕事も自分のパースでできているので子供の行事の参加も誰に気兼ねすることなく参加できている。情報誌は1年に3回の発行なので、子育てと家事をしながらこなせる。ただし、売上はあっても利益はわずかである。


 以前は主人が「一銭の徳にもならないことをしている」自分の仕事に理解を示さなかったが、2年目に大きなイベントを開催した。
 ママたちが子連れでも一人でも楽しめる一日イベントである。市の助成金事業を使い、初職での経験値を活かしたYuoTube動画で告知を呼び込み、見事2,000人を呼び込むことができた。このイベントを目の当たりにしたご主人はそれから理解を示すようになり、以前より夫婦仲もよくなったとのことである。


 自己実現も「できていると思う、それは、やりたいことができている状態であり、願いがかなっている。もちろん努力があってこそですが。」


 0からモノを生み出すことが好きなBさんは、次のことを考えている。それは、今の仕事を活かした女性活用事業を企画している。



2016年12月6日火曜日

女性たちの雇用されない働き方の研究の方法(雇用されない女性たちの生き方.27)


研究の方法として、2つリサーチクエスチョンを決めた。




1
つは、女性の起業家に下記の表の11項目について、
2
時間弱の対面でのインタビューを行い、
・雇われない働き方はどのようにしているのか。

 ・また事業としてなり立っているのか。

もし成り立っているとしたら、どんなことをしているのかを調査研究することで、
これからの女性の働き方の選択肢になりうることができるかを検証したい。

従来の「起業家=バリバリな女性」というイメージより、
ハードルが低いミニ起業家が増えれば、
女性のライフイベントの変化に応じて柔軟に対応できる働き方の一つとして
定着できればうれしぃ限りである。

結婚、出産、子育て、仕事復帰も自分のペースで行えれば、
ストレスなくワークライフバランスができるだろう。



 そして、2つ目はHW2.0という現象が、日本で参考になることはないのか
女性ミニ起業家からの共通点を見つけだし、検証してみたい。

下記の表は、9名に対しての質問事項である。


今回の質問事項
   年齢:時代背景や経験値の違いはあるか。
   年数:経験値の長さで変化するものはあるか。
   未婚・既婚:夫の存在で仕事、生活に影響はあるか。
   子供の有無:出産、子育てで仕事、生活に影響はあるか。
   前職:現在の仕事に役立っているか。
   現在までに沿革:起業した動機、今に至る流れ。過去を自由に話してもらうことでキーワードはでてくるか。
   専門技術の会得:どこでその専門技術を会得したか。
   仕事の獲得方法:個人での仕事は多岐にわたるので忙しい。また技術者は営業活動を苦手とする者が多い。どのように販路拡大したか。
   自己実現できたか:起業の動機に自己実現が上げられる。
   自由であるか:起業の動機に自由でいたいも上げられる。
   ワークライフバランスは:女性と仕事の両立は難しいが、出来ているだろうか。
※⑨の自己実現の質問時には、マズローの5段階の欲求を階層にし、図を見せて回答してもらった。

















女性ミニ起業家の今回のインタビュー対象者は、筆者の知り合い、
又は今回の対象者からの紹介で地元(政令地方都市)にいる個人事業の女性を中心に選出した。
今回、地名を開示しないのは狭い地域での専門性のある女性であることで、
固有名詞が発覚される恐れがある。

彼女たちはブランディングをして業務を行っているので、
名前を伏せる約束で応じてくれた方もいる。
 この研究でのインタビュー対象者は、女性で専門技術を持ち個人経営で
 3年以上継続して売上を上げている女性たちである。